あらすじ
王宮の片隅にある大書庫で、何百年分もの書物を管理する平民の書庫係クララ・ベルナー。
紙と書物を扱う商家に生まれ、王宮書庫のどこに何の本があるのかすべて記憶しているクララは、目立たないながらも自分の仕事を気に入っていた。
そんな書庫へ最近、頻繁にやってくる人物がいる。
国王肝入りの王国史編纂を任されている、伯爵令息アレクシス・ヴァルデックだ。
優秀で知識も豊富な彼には、ひとつ困ったところがあった。
「貴族が平民を食事に招待することを禁じる王国法なんてないだろう?」
そんなことを言って平民のクララに近づき、どうにも世間の『常識』というものが通用しないのだ。
そんなある日、アレクシスに頼まれて200年以上前の書物を探していたクララは、一冊の古書に小さな違和感を覚える。それは書庫係だからこそ気づいた、ほんの小さな違和感だった。
それはやがて、王国史に隠された秘密へと二人を導いていくのだった。