あらすじ

誰かの小さな変化にはすぐ気づくのに、自分のことになると少し不器用な一匹の兎。 月明かりの下で向日葵を見つめたあの夜から、兎は誰かから向けられる優しさを、ほんの少しだけ受け取れるようになっていました。 けれど、それからいくつもの季節を歩く中で、信じていた道が途切れたことも、差し出された手が離れていったこともありました。 長い間、隣にあると思っていた足音さえ、ある日突然、違う道へ向かってしまいます。 傷つかないために、いつしか「期待しないこと」を覚えた兎。 そんなある夜、久しぶりに訪れた向日葵の丘で、兎は花の中に残された小さな種を見つけます。 花が終わっても、そこにあった時間まで消えてしまうわけではない。 そして種は、次の季節へ向かうものをちゃんと残している。 過去を忘れるのではなく、傷ついたことさえ抱えたまま。 誰かが運んでくれる風を待つのではなく、自分の足でこれからの道を選ぼうとする兎の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/25
  • 現在の作品風を待たない種