あらすじ
昭和二十年八月十一日。
その日付が刻まれた『青い切符』の裏には、見知らぬ少女の文字が遺されていた。
『いつか平和な世界で、あなたとこの列車に乗れますように。――サエ』
高校二年の水瀬蓮は、祖父の遺品整理で見つけた切符の光に呑まれ、終戦直前の世界へとタイムスリップしてしまう。
そこで出会ったのは、切符に名前を遺した割烹着の少女・サエだった。
スマホもない、明日生きているかもわからない不自由な時代。
それでも、ひまわりのように真っ直ぐに笑うサエに、蓮は一瞬で恋に落ちた。
サエもまた、未来から来たという不思議な少年・蓮に、淡い想いを寄せていく。
しかし、蓮は知っていた。
終戦のわずか前日――八月十四日に、この町を激しい空襲が襲い、サエが命を落とすという残酷な歴史を。
タイムリミットは、わずか八日間。
「歴史を変えれば、僕たちの恋は消えてしまうかもしれない。それでも、君に生きていてほしい」
現代と過去、80年の時を越えて紡がれる、最も切なくて、最も泣けるタイムパドックス・ラブストーリー。
――世界を敵に回しても、僕は君の手を離さない。