あらすじ
セシリアは、誰かを困らせるのが苦手だった。
婚約者の失言も、いつも彼女が整えてきた。
それを愛する人を支えることだと思っていた。
結婚を半年後に控えた日、婚約者が告げる。
彼には、ほかに愛する女性ができたという。
そして、セシリアへ奇妙な頼み事をした。
自分から婚約を解消したことにしたくない。
セシリアが彼を振ったことにしてほしいという。
別の女性の評判を守るための頼みだった。
彼女なら理解し、耐えてくれると思っている。
その信頼に似た甘えを、セシリアは見つめる。
そして初めて、自分が何を望むのかを考える。
五年間、彼女が守ってきたものは何だったのか。
彼女が彼の言葉を整えなくなった時、何が見えるのか。
セシリアが最後に選ぶのは、誰のための未来なのか。