あらすじ

真夏の蝉しぐれが響く午後、私は先日九十六歳で亡くなった祖母の親友・千代さんの遺品整理をしていた。 美しく優しい人だったのに、なぜか生涯独身を貫いた千代さん。 その古いタンスの奥から見つかったのは、昭和二十年の夏に書かれた一冊の古い日記帳だった。 当時十八歳だった千代さんが恋に落ちたのは、数日後に特攻隊員として空へ飛び立つ二十歳の青年・清さん。 手を繋ぐこともなく迎えた出撃前夜、彼は千代さんに過酷で優しい遺言を残す。 「僕のことなんて忘れて、他の人と結婚して幸せになるんだ。それが僕の願いです」 日記の最後に遺されていたのは、何十年もの時を超えて明かされる、千代さんの『本当の答え』だった――。 【1話完結の読み切りフィクション】 約3,000文字に凝縮された、お互いを想いすぎる二人の、切なくも美しい「約束の破り方」。 張り巡らされた伏線がラスト数行で鮮やかに回収される、涙腺崩壊の感動作をぜひ最後までお楽しみください。

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カクヨム
カクヨム2026/08/25
  • 現在の作品『約束を破った彼女の、八十年の初恋』