あらすじ
【カドコミ漫画原作コンテスト用】
平凡な高校生・杜居伊織は、疎遠になっていた才色兼備の幼馴染・天戸うずめから、小学生の頃に急死したもう一人の幼馴染・ハルについて「ハルは、私が殺したの」と告白される。
その夜、天戸から渡されたお守りを枕元において眠りにつくと、杜居は彼女と共に異世界へと転移する。そこで杜居が知ったのは、天戸は小学五年生の頃から不定期に異世界へ召喚され続け、300回以上世界を救い続けていたことだった。
かつて、その苦しみに耐えられなくなった天戸を救うため、ハルも異世界へ同行していた。しかし八回目の召喚で圧倒的な敵に遭遇し、ハルは天戸を逃がすため命を落とす。以来天戸は罪悪感を抱え、救いを求める声を拒まず、世界を救い続けてきた。心を殺し、世界を救うことに最適化していくにつれて、やがて彼女にとって「世界を救う」とは、脅威を殺して排除するだけの行為になっていた。
ハルを失って以来、自分の人生もすでに終わったものだと思っていた杜居。しかし、天戸が残した膨大な旅の記録を読み、その心が長い年月の中ですり減っていったことを知り、決意する。
『世界を救うのはお前に任せる。俺はこの世界でお前を救う』、と。
次の異世界で領主の圧政に苦しむ町を訪れた二人。即座に武力で解決しようとする天戸を止め、杜居は情報を集める。重税の理由が領主の病気の娘を救うためだったと知った二人は、天戸が過去の異世界から持ち帰った霊薬エリクシルを使い、誰一人殺すことなく世界を救うことに成功する。
初めて経験する「殺さない救済」に、天戸は心からの笑顔を見せる。しかし現実へ戻った杜居がエリクシルについて調べると、それはエリクサーや賢者の石と呼ばれる不老不死の薬であると知る。
世界を救いすぎて、救い方を見失った少女。何の力も持たない少年は、彼女と共に異世界を巡りながら、力で敵を排除するだけではない「救い方」を探していく。
そしてその旅は、ハルの死によって止まっていた杜居と天戸の時間も、再び動かしていく。