あらすじ
幸せな家庭には、私だけが知らない秘密があった。
結婚して十二年。
夫と高校生の娘と暮らす私は、どこにでもある普通の家庭を築いていると思っていた。
夫は優しく、娘も少し反抗期ではあるけれど、仲の良い親子。
――あの日、夫のスマートフォンに届いた一通のメッセージを見るまでは。
『今日はありがとう♡』
送り主の名前は、娘と同じ「美羽」。
それをきっかけに、夫の不倫を疑い始めた私は、ある女性の存在を知る。
その相手は――娘の担任教師だった。
そしてさらに。
娘の部屋から見つかった一枚の写真。
そこに写っていたのは、若い頃の夫と見知らぬ女性、そして幼い娘。
写真の日付は、私たちが結婚するより前だった。
「お母さん、私、本当は全部知ってる」
娘の口から告げられた、十二年間隠されていた秘密。
夫の不倫。
妻に隠された過去。
娘が抱えていた真実。
そして、家族全員がそれぞれについた嘘。
壊れていく家庭の中で、私は知ることになる。
血が繋がっていることが、家族の条件なのか。
一緒に暮らしていることが、愛なのか。
これは、不倫から始まった一つの家庭崩壊と、
そこからもう一度「家族」を選び直す、一人の女性の物語。