あらすじ

「ローデンさんには、今日でパーティーを抜けてもらいたい」 四十歳のCランク冒険者、ローデン・クレイ。 五年間所属したAランクパーティー《白耀の剣》から、彼はある日突然追放を告げられた。 昼間は馬車で寝ていることが多く、討伐でも目立った戦果を上げない。それなのに報酬は仲間と同じだけ受け取る。 若い仲間たちから見れば、ローデンは足を引っ張るだけの「夜番のおっさん」にしか見えなかった。 ローデンは言い訳をせず、素直にパーティーを去る。 だが、仲間たちは知らなかった。 自分たちが毎晩安心して眠れていた理由を。 森狼も、ゴブリンも、夜行性の魔物も、何も現れなかったのではない。 仲間が眠っている間に、ローデンが野営地へ近づく前にすべて始末していたのだ。 《宵眼》と二十年以上の経験を持つローデンは、昼間なら少し腕の立つベテラン冒険者にすぎない。 しかし夜の森なら、Aランク冒険者をも上回る夜戦の専門家だった。 ローデンを追放した《白耀の剣》が、初めて自分たちだけで夜を迎える一方、ローデンは「臆病者」と呼ばれる若い弓使いと新しい仕事を始める。 やがて誰にも評価されなかった彼の仕事は、ギルドから、若い冒険者たちから、少しずつ認められていく。 これは、誰にも見えないところで仲間を守り続けてきたおっさんが、自分の二十年を次の世代へ渡していく物語。 ――何も起きなかった夜が、俺の戦果だ。

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カクヨム
カクヨム2026/08/24
  • 現在の作品宵眼の守夜人 ~昼は冴えないおっさん、夜なら最強の冒険者~