あらすじ
*登場人物*
由佳
風見野高校演劇部の脚本担当。冷静に物事を見る一方、町を離れることを仲間に言い出せずにいる。
和美
演出兼役者。最後の演劇祭で一番を取ることに燃える、行動力抜群の部長。
大空
役者兼進行管理。勝負好きだが面倒見がよく、予定と秩序を大切にする。
香那子
役者兼衣装担当。直感が鋭く、対立した仲間の間を自然につなぐ平和主義者。
禎
大道具・照明・音響担当。皆を支えながら着実に問題を解決する調整役。
スイ
古い舞台幕から現れた小さな風の精。人間の芝居を理解できず、感情のこもった台詞を「本当に」してしまう。
*あらすじ*
卒業式と同時に閉校する風見野高校。最後の五人となった演劇部は、県高校演劇祭へ向けて『地平線の向こうで』を稽古していた。
ところが、「ずっと一緒」という台詞を五人で口にした瞬間、講堂の出口が消滅。古い幕から現れた風の精スイは、芝居と現実の区別がつかなかった。
「足が棒になる」と言えば本当に曲がらなくなり、「恋の虜」と言えば草の檻に閉じ込められる。
笑いに満ちた稽古の一方、五人にはそれぞれ卒業後の道が待っていた。そして由佳には、誰にも言えない別れがある。
真実ではない台詞にも、本当の気持ちは宿るのか。
別々の未来へ進む五人と、人間の「嘘」を知らない風の精が、最後の舞台で見つける答えとは――。