あらすじ

「来年の春も、またここで会おう」

桜が舞う季節、僕は美月と出会った。

席が隣になった、ただそれだけの偶然。
最初は少し話すだけだった僕たちは、放課後を一緒に過ごし、くだらないことで笑い、喧嘩をして、仲直りして――いつしか、お互いが当たり前の存在になっていた。

春には桜を見て、
夏には海へ行って、
秋には文化祭で笑い、
冬には同じマフラーで雪の中を歩いた。

そんな何気ない一年間が、僕にとっては何より大切な時間だった。

そして、二度目の春。

「ちょっと疲れただけだから」

美月はそう言って笑った。

けれど、少しずつ変わっていく彼女の姿に、僕は気づいてしまう。

増えていく欠席。
減っていく笑顔。
途中で止まる会話。
そして、誰にも言えない秘密。

限られた時間の中で、それでも美月は笑おうとした。

「来年の春も、一緒に桜を見ようね」

その約束を、僕は疑わなかった。

――あの日までは。

これは、二人が出会ってから別れるまでを描いた、二年間の青春の記録。

特別じゃない毎日が、実は一番かけがえのないものだったと気づくまでの物語。

桜は、何度でも咲く。

季節は、何度でも巡る。

けれど――

**君のいない春が、こんなに眩しいはずがない。**

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2026/08/24
  • 現在の作品君のいない春が、こんなに眩しいはずがない。