あらすじ

屠龙の勇者は、今日もひどく気分が沈んでいた。 また、人々の悪意に満ちた罵声を聞いた。 そして――王の顔に浮かぶ、隠そうともしない侮蔑の表情も。 勇者は、自分の身体を見下ろした。 そこには、縦横無尽に刻まれた傷跡がある。 新しい傷。 古い傷。 もう痛みすら感じない傷もあれば、今もなお疼き続ける傷もある。 幾重にも重なった傷跡。 古傷が癒える前に、新たな傷を負う。 そんな日々を、彼はずっと繰り返してきた。 ふと――勇者は、これまでの旅を思い出した。 道中で出会った、かつての仲間たち。 彼らは皆、背後にある王国を守るために、恐れることなく血を流した。 冷たく、暗い大地の上で。 一人、また一人と。 勇者は、あの少年の柔らかな笑顔を思い出した。 少女の軽やかな歌声を思い出した。 もう二度と戻ってこない、大切な時間。 大切な仲間たち。 彼は、静かに目を閉じた。 ――もう、疲れた。 これまでに、あまりにも多くの大切なものを失ってきた。 だからもう。 これ以上の痛みを、受け止めることなんてできなかった。

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小説を読もう2026/08/25
  • 現在の作品悪竜の童話城で、今日も僕は戦う