あらすじ
「大きくなったらみんなで十傑になろう!」
そう笑い合って王都へ旅立った仲間たちを、ラックは心から応援していた。
そして、自分は永遠に追いつけないのだと。
自分に宿ったのは、戦闘能力ゼロの『不死』。
圧倒的な才能を持つ幼馴染たちに置いていかれ、田舎にポツンと取り残されたラックは、生きるために生活魔法『収納』を使い始める。
痛みに耐え、死なない体で自滅覚悟の実験を繰り返すこと数年。
ただの雑務魔法だった『収納』は、高圧の水流や圧縮した炎を解き放つ最凶の「兵器」へと変貌を遂げていた。
そんな彼が森で拾ったのは、冷たい雨に打たれていた一人の赤ん坊。
すっかり甘えん坊に育った愛娘――世界最高の才能を持つ『聖女』が王都へ招かれたことで、ラックは保護者として何年ぶりかに村を飛び出すことになる。
ダメダメな父親(仮)として、ただ陰から娘を見守るはずだった。
――だが、ラックは知らなかった。
疎遠になったと思っていた幼馴染たちが、今でも自分を大好きでいてくれたことを。
自分を守るために王都で必死に地位を固め、ずっと待っていたことを。
過保護すぎる愛娘。
王都最強の幼馴染たち。
そして、自分が最強だと気づいていない『不死』と『収納』の男。
初めての王都。初めての再会。初めてのヒロイン争奪戦。
そして、無自覚な無双劇。