あらすじ
離縁された妻へ、新しい妻を迎える宴まで整えろ――。
四十五歳の誕生日。二十五年間、侯爵夫人として夫と家を支えてきたアデライードは、夫フェルナンから離縁届を突きつけられる。
「もう君を女として見られない」
再婚相手は二十七歳の令嬢。しかもフェルナンは、離縁発表の宴、新しい妻の社交界への紹介、侯爵夫人の仕事の引継ぎまで、アデライードが完璧に整えて当然だと言い放った。
「お引き受けしません」
アデライードは初めて自分のために夫を拒み、母から受け継いだ辺境の屋敷へ向かう。
そこで再会したのは、二十五年前、互いに想いを伝えられないまま別れた初恋の辺境伯ロドルフだった。
彼が見つめるのは、思い出の中の若い彼女ではない。
銀色の髪も、笑い皺も、慎重になった性格も含めた、四十五歳のアデライード。
彼女が忘れてしまった好きなパンや色を一つずつ尋ね、覚え、毎日まっすぐ口説いてくる。
「私は、昔の君を取り戻したいんじゃない。今の君に、これからをくれと頼んでいる」
一方、アデライードを失った侯爵家では離縁発表の宴が大失敗。
フェルナンは社交界の信用を失い、若い婚約者からも「私も、いつか四十五歳になります」と婚約を解消される。
そしてようやく彼女の価値に気づいた元夫は、王家の舞踏会で復縁を迫るが――。
「あなたに女として見られる必要はありません」
「私は戻りません」
四十五歳は、女の終わりではない。
捨てられた妻が自分の好みと誇りを取り戻し、今の自分を愛する人の手を自ら選ぶ、大人のざまぁ&全肯定溺愛ハッピーエンド。