あらすじ
聖フィオーレ女學院。
それは、白薔薇に囲まれた靜謐な學び舎。しかしその地下には、三百年前より続く「魔女」たちの秘密が眠っている。
九条院澪——影から黒き棘を生やす魔女。彼女は毎夜、同じ夢を見る。銀色の髪の少女が、自分の腕の中で血に染まり、それでも微笑みながら「見つけてくれたね」と囁く夢を。
入學式の日、澪の前に転入生が現れる。
氷室栞。銀色の短髪、鳶色の瞳、どこまでも冷たい聲。彼女は澪に告げる。
「君、俺のものにならない?」
その言葉が、澪の封印された前世の記憶を揺り起こしていく。
前世で愛した人。前世で守れなかった人。そして——前世で、この手で殺した人。
二人の薔薇念珠(ロザリオ)が共鳴するとき、三百年前に封じられた「荊冠の聖女」の封印が、靜かに、しかし確実に解けていく。
これは、呪いにも似た愛の物語。
少女たちは、棘を抱き合いながら、それでも互いの血と涙に口づける。
痛くて、冷たくて、甘い——これは、そんな百合の物語。