あらすじ
「星の声が聞こえない欠陥令嬢」――公爵令嬢セラフィーナ・アストレアは、名門星読み家系に生まれながら、その力を持たぬ者として長年蔑まれてきた。
そして迎えた卒業式。第二王子アレクシスは、聖女ミレイユを傍らに、彼女へ婚約破棄を突きつける。
だが、セラフィーナには前世の記憶があった。宇宙のロマンだけを追いかけ、孤独に生涯を終えた、現代日本の天文学者としての記憶が。
この世界の人々が「魔力の源」と崇める星々が、実はただ燃えて、いつか消えゆく天体に過ぎないことを、彼女だけが知っていた。
「今夜、あなた方が崇める『主星』が、消えます」
嘲笑う人々に静かにそう告げて、彼女は聖堂を後にする。
そして彼女は気づいていた。自分は欠陥令嬢などではなく――「消えゆく星の声だけが聞こえる」体質なのだと。だからこそ、消滅間際の小さな星の意識体・ステラの声が、幼い頃からずっと届いていたのだ。
「安心しなさい。あなたは消えない。私が、消えさせない」
前世で叶わなかった宇宙のロマンを胸に。誰にも救えない星を救うため、悪役令嬢は運命に立ち向かう。
理解されなかった者同士の、静かな結びつき。星を見上げるだけだった孤独な研究者は、今、星そのものと手を取り合う。
知識と科学が魔法を凌駕する、天文学×ざまぁ×心温まる救済の物語。