あらすじ
三十八歳の冒険者ロイドは、十六年続けた冒険者を今日で辞めると決めていた。
古い傷も痛むようになり、これからは兄の宿を手伝いながら静かに暮らすつもりだった。
ところが、引退の手続きをしようとしたロイドに、ギルド長が最後の依頼を持ちかける。
その内容は――。
「竜の子守だ」
街道で保護された一頭の子竜を、専門家が来る夕方まで見ているだけ。
戦いも危険もない、本当に簡単な仕事のはずだった。
十六年間、剣を手にしてきた冒険者と、親とはぐれた小さな竜。
これは、冒険者として最後の日を迎えた男の、少しだけ特別な一日の物語。