あらすじ

私は結婚の誓いの言葉を読み、十年間一緒に飼っていた犬の話をして、四年前に亡くなった父のことまで口にした。 それでも、圭吾は何ひとつ表情を変えなかった。 そこへ兄が口を挟んだ。 「ある女の子が、十年以上ずっとお前のことを好きだったんだ」 その瞬間、圭吾の目が赤くなった。 母まで小さくため息をつく。 「紗季のためじゃなかったら、真奈美だって四年前にあの子を諦めなくて済んだのにね」 母の隣に座っていた白石真奈美は、困ったように笑った。 「もういいんです」 「明日になれば、この片思いも本当に終わりますから」 次の瞬間、圭吾は俯いた。 肩を震わせて、声まで詰まらせながら泣いていた。 私は婚約者と親友が見つめ合う姿を眺め、それから、いかにも残念そうな母と兄の顔を見た。 ようやく理解した。 この秘密を知らなかったのは、私だけだったのだ。 そこまで惜しいのなら。 私が叶えてあげよう。

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小説を読もう2026/08/24
  • 現在の作品家族みんなが親友を私の代わりに花嫁にしようとしていたので、私は結婚式を見届ける側になりました