あらすじ
高校三年生になった春。
一人暮らしをする高校生・高瀬悠真は、クラス替えで国民的人気を誇るアイドルグループ『Luminous』の絶対的センター、月城澪華――本名・月城澪花と初めて同じクラスになる。
誰もが注目する人気アイドル。
けれど悠真にとっては、あくまで「同じクラスになった有名人」にすぎなかった。
そんな始業式の日の夜。
バイトを終えてマンションへ帰った悠真は、二年間ほとんど顔も知らなかった隣の501号室の住人と鉢合わせる。
帽子とマスクを外したその顔は――。
「……月城?」
「え?」
まさかの、クラスメイトになったばかりの国民的アイドルだった。
学校では完璧なアイドルとして振る舞う澪花。
けれど一枚の壁を隔てた隣の部屋では、意外とよく喋り、料理は苦手で、方向音痴で、ときには弱音だってこぼす、ごく普通の十八歳の女の子。
そして悠真もまた、彼女を「月城澪華」として特別扱いしない。
隣人として言葉を交わし、食卓を囲み、誰にも言えない悩みを共有するうちに、二人の距離は少しずつ変わっていく。
けれど彼女は、何万人ものファンの視線を背負うトップアイドル。
悠真にもまた、自分の人生と叶えたい未来がある。
「アイドルとファン」ではなく、「月城澪花と高瀬悠真」として。
これは、誰もが見上げる少女と、いつか彼女の隣に胸を張って立てる人間になろうとする少年が、秘密の隣人関係から始める青春恋愛物語。
――隣人につき、アイドル扱い禁止。