あらすじ
小説家を目指していた高校生・零は、かつて親友を失ったことをきっかけに、筆を折っていた。
そんな彼の前に現れたのが、同じクラスの少女・七瀬一花。
明るく、可愛く、誰よりも物語を愛する彼女は、なぜか「曇らせ」が大好きだった。
「主人公がどん底まで落ちるからこそ、最後のハッピーエンドが輝くんだよ!」
そんな一花に背中を押され、零はもう一度、小説を書くことを決意する。
目指すのは、ライトノベル新人賞。 そして二人の夢は――文芸部を作ること。
放課後のカフェで小説を読み合い、互いの作品にダメ出しをして、時には笑い合う。
そんな穏やかな日々の中で、零は少しずつ忘れていた「書くことの楽しさ」を取り戻していく。
しかし――。
新人賞への挑戦が終わったとき、零を待っていたのは、あまりにも残酷な現実だった。
そして一年後。
再び筆を取った零の前に、今度は一花自身が、逃げ場のない「曇らせ」に囚われてしまう。
「私は、何のために生まれてきたんだろう」
生きる意味を失いかけた少女に、零は何を伝えられるのか。
これは、小説を書くことを諦めた少年と、物語を愛する少女が、傷つきながらも最高のハッピーエンドを目指す物語。
――曇らせるのは、ハッピーエンドのため。
だから僕は、もう一度ペンを取る。