あらすじ
齢千年のエルフ、アルフレッド。
彼は六国の盟約をその身に結び、王冠を介して列国へ命令を強制する「盟約王」だった。
その死とともに権能は消えた。だが、国境も占領軍も条約も、積み重なった憎悪も消えなかった。
森のエルフ、銃と工業の人間共和国、炉都のドワーフ、海の民、妖精、人工の民。誰も戦争を望んでいない。だが、誰も自国を譲れない。
やがて国境で、一発の銃声が響く。
双方は「相手が先に撃った」と報告した。食い違う二つの報告は、どちらも嘘ではなかった。
英雄はいない。唯一の正義もない。
これは、盟約王の死から始まる、六つの国家と名もなき人々の戦争群像劇。