あらすじ
高校二年の夏、私は君を好きになった。
何気ない一言に喜んで、
少しの優しさに期待して、
ほんの少し距離が近づくだけで、一日中幸せだった。
でも、好きだからこそ言えなかった。
「好き」
その一言を伝えて、今の関係が壊れてしまうのが怖かったから。
卒業の日。
十年間想い続けた彼から渡された一通の手紙には、
『最後まで言えなかったけど、俺はずっと紬が好きだった。』
たった一行だけが残されていた。
けれど私は、その返事を渡せなかった。
それから十年。
もう終わった恋だと思っていた。
そんなある日、偶然知った。
彼は今も、この街にいる。
あの日、言えなかった言葉。
渡せなかった手紙。
すれ違い続けた二人の時間。
もし、十年前に戻れるとしたら――
私は、あの日の自分に何を伝えるだろう。
そして、
「好き」という気持ちは、
伝えなかったとしても、消えてしまうのだろうか。
十年越しにもう一度動き出す、
切なくて、少し遅すぎた青春恋愛物語。