あらすじ
白嶺大学附属 認知観測情報研究センター。
解析主任・真壁依織の仕事は、映像、音声、証言、ログ――それらの記録と記憶に生じた「ズレ」を読むこと。
消えたメール。間違った名札。存在しない記録。名前のない執筆者。
いずれも、大事件ではない。
少なくとも、表面上は。
だが、小さな違和感を辿った先には、人と記録のあいだに取り残された問題がある。
観測する。
分ける。
確かめる。
何が記録され、何が失われたのか。
どこまでが事実で、どこからが解釈なのか。
そして時には、分かることを、あえて分からないまま残す。
日常と研究の片隅に残された、分類不能の事例――「未分類ケース」。
冷静すぎる解析主任・真壁依織が、それらを一つずつ読み解いていく。
記録は、必ずしも真実ではない。
そして、真実は必ずしも、明らかにするべきものでもない。
彼女の視点で描かれる、研究記録系・日常の謎ミステリー。