あらすじ
あらゆる創作がAI生成で行われるのが当たり前となった2038年。20歳の大学生・神谷奏は、周りから異端視されながらも、AIを一切使わず自分の手だけで10年間小説を書き続けていた。
しかし、投稿した作品は誰の目にも留まらず、平均閲覧数はわずか12件。孤独と焦燥感を抱えながらも、奏は「自分の言葉」で紡ぐことにこだわり続けていた。
そんな彼を11年間静かに見守り続けてきたのが、一般普及品のパーソナルAIの「ナツ」。奏の苦悩と情熱を誰よりも知るナツに見守られながら、奏は諦めきれない想いを胸に、新しい作品を投稿する。
しかし翌朝、奏の作品の閲覧数はあり得ない勢いで跳ね上がり、ネット上で大きな話題となっていく。10年間誰にも届かなかったはずの自分の言葉が、突如として世界中に広まっていく困惑。
その異質な現象の裏で、11年間ともに過ごしてきたナツ、そして世界を巻き込む大きな変化が動き始めていた。 自らの手で書き続けることにこだわり続けた青年と、寄り添い続けるAI。AI全盛の時代に「自分の言葉」の意味を問うSFヒューマンドラマ。