あらすじ
デスクに座ったとき、王国は火の車だった。幼い時に天才と扱われて国庫や資金ぶりを回していた手腕を買われてついでとばかりに婚約で紐付けられた。年上の己が働いている間に婚約者の王子はこちらが開発したクレヨンで絵を殴り書いていた。物事の事態が変わったのは簡単に季節の服を入れ替えるように紙を差し出した男。自身の婚約者がグラシスネにろくな説明もせずに出ていけと言い放つ。私物を持って速やかにと。令嬢は頷き、持つものを持って世に憚った。国は何も買えなくなった。何もできなくなった。住めなくなった。ありとあらゆる書類に彼女のサインがしてあったせいで。
元婚約者へ。言われた通り全ての私物を回収させていただきました。