あらすじ

鳴瀬栞は、毎朝すべてを忘れる。

相原直がそれを知ったのは、文化祭前の月曜だった。

ゴミ箱の縁に立てかけてあった絵本を拾って、返して、と言われた。次の日、彼女は俺の名前を忘れていた。

その次の日は、顔ごと忘れていた。

彼女が抱えている絵本は、異様に厚い。

ページの隅には、鉛筆で薄く数字が書いてある。三十七。三十六。三十五。

やがて俺は、その本の枚数を数える。二百五十九枚。七で割ると、三十七。
 
そして知る。

俺が読んだページの文字は、二度と戻らない。

消えるのは、彼女の一日だ。

文化祭は日曜日。

彼女の祖母が綴じた白紙は、あと一枚しか残っていない。

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アルファポリス
アルファポリス2026/08/23
  • 現在の作品彼女の一日を、俺が消している