あらすじ
認知症が進んだ祖母は、孫の莉子をいつも「ルミちゃん」と呼ぶ。
「歌はまだ歌ってるの?」 「赤い衣装が一番似合ってた」 「私はずっと応援するからね」
家族の誰も知らない「ルミちゃん」の思い出を、祖母だけが楽しそうに語り続ける。
そんなある日、莉子は実家の押し入れで一枚の古い写真を見つける。そこには、自分と驚くほどよく似た若い女性が写っていた。
写真の裏に書かれていた名前は、「浅倉ルミ」。
祖母が忘れられなかった「ルミちゃん」とは、いったい誰なのか。
一枚の写真から、家族も知らなかった祖母の過去が少しずつほどけていく。記憶と「自分を好きになること」を描いた、優しく少し切ない物語です。