あらすじ
夜八時の学校。
忘れ物を取りに戻った主人公は、本館三階西側廊下で、不思議な少女と出会う。
裸足。
長い黒髪。
古びた服。
そして、床に並ぶ七つの白い輪。
「ねえ。それ、こっちまで持ってきて?」
足元には、片方だけの赤い靴が落ちていた。
少女は自分の名前を知らない。
主人公は彼女を「メア」と呼ぶことにする。
白い輪を踏めば、足を掴まれた感覚がする。
水を浴びたはずなのに服は濡れていない。
聞こえた声の主はどこにもいない。
けれど、本当に怖いのは学校の中ではなかった。
翌日、自宅の近くに白い輪が一つ増える。
昨日まで一本だった黄色い傘が二本になる。
防犯映像には主人公しか映っていない。
家族は、話したはずのことを忘れていく。
メアに聞いても、彼女は笑って答える。
「知らない。」
これは、夜の学校に現れる「赤靴さん」と出会った主人公の日常が、
昨日までとは少しずつ違うものへ変わっていく物語。
そしていつしか主人公は、
怪談を確かめるためではなく、
メアに会うために夜の学校へ向かうようになる。