あらすじ
千年前、この世界は戦乱に引き裂かれていた。
人間の王国、エルフの王国、竜人の王国、そして魔族の王国――四つの大国は、終わりの見えない戦争を繰り返していた。
そんな時代に、一人の男が現れた。
イヴァル・ヴァルクレスト。
かつて一介の農夫にすぎなかった男は、四王国の王たちを次々と打ち破り、長きにわたる戦争を終わらせた。
そして、誰も名乗ったことのない称号を与えられる。
――王の中の王。
しかし、その圧倒的な力は神々の恐怖を呼び起こした。
神々は結託し、イヴァルの存在そのものを世界から消し去った。
彼の名は歴史から消え、記憶からも消え、まるで最初から存在していなかったかのように――。
だが、イヴァルには一つだけ秘策があった。
転生。
そして千年後。
イヴァルは、自らの血統へと転生した。
しかし、彼が目覚めた世界は、かつて知っていた世界とは大きく変わっていた。
かつて栄華を誇っていた魔法は衰退し、彼の名は歴史から完全に消え去っていた。
そして何より――
自分の血統に隠された秘密すら、イヴァル自身は知らなかった。
それでも、すべてが失われたわけではなかった。
ある夜、イヴァルは自分の家に飾られていた一本の黒い剣を見つける。
それは、かつて彼が仕えさせた忠実なる従者――ラムだった。
ラムは千年もの間、ただ一つの命令を守り続けていた。
「俺が戻るまで、俺の血統を守れ」
そして、イヴァルの帰還から間もなく、一羽の金色のフクロウが彼のもとへ一通の招待状を届ける。
差出人は――アストリア魔法学院。
四王国の新世代が集う、世界有数の魔法学院だった。
こうして、イヴァルの二度目の人生が始まる。
かつて「王の中の王」と呼ばれた最強の王は、今度は一人の学生として学院へ通うことになる。
しかし、そこで待っていたのは、ただの学園生活ではなかった。
千年の間に何が起きたのか。
彼の血統に隠された秘密とは何なのか。
そして、かつて自分を消し去った神々は今も存在しているのか。
何より――
イヴァルは本当に、新たな人生を生きるために戻ってきたのか。
それとも――
彼の帰還こそが、千年前に終わったはずの戦争を再び始めることになるのか。