あらすじ
人の魂には、想いに応じて姿と力を変える神――《付喪神》が宿っている。
多種族国家ムスレスト王国。その片隅にある孤児院で育った少年、ウィル・マクセンは、幼馴染のオーレンや仲間たちと共に騎士になることを夢見ていた。
そして十六歳。
己の魂に宿る付喪神を目覚めさせる《神託式》の日。
ウィルの前に現れたのは、一振りのグラディウスだった。
願いを結晶へと変える付喪神――《天晶》。
それは、やがて世界の運命さえ左右する力の始まりだった。
しかし、ウィルたちが生きる世界は決して美しいものではない。
貴族至上主義と腐敗が進むムスレスト王国。
力こそを重んじるデウルクス帝国。
そして、人と付喪神の絆を否定し、付喪神の『解放』を謳う邪教徒たち。
騎士を夢見ていた少年たちは、やがて冒険者として世界を巡り、国々の争いと、歴史に埋もれた勇王たちの遺跡、そして付喪神に隠された真実へと触れていく。
これは、選ばれた英雄だけの物語ではない。
才能に恵まれた者。
何も持たず努力する者。
一度すべてを失った者。
道を踏み外し、それでも立ち上がる者。
それぞれが己の願いを抱き、魂に宿る相棒と共に歩む物語。