あらすじ

「聖女の力なき偽聖女め、貴様との婚約を破棄する!」 王太子の断罪を、クラウディアはただ静かに受け止めました。泣きすがることも、弁明することもなく――ええ、そんな義理などございませんもの。 彼女には前世の記憶がありました。この世界は、かつて読んだ古い伝承集『夕暮れの鐘』の舞台。そして村外れの朽ちた鐘楼こそ、王国全土を魔物から守る結界装置なのだと知っていたのは、彼女ただ一人。 「厄災を呼ぶ鐘」と恐れられ、石を投げられながらも、雨の日も雪の日も、熱を出した日でさえ、彼女は三年間鳴らし続けました。偽の聖女の「浄化」が効いていたのも、実はこの鐘の残響のおかげ。けれど、教えて差し上げる義理もございません。 「今日限り、鐘を鳴らすのをやめさせていただきます」 領地を剥奪され、王都を追放されたクラウディア。けれど辺境ヴェルデ村では、彼女の献身に気づいた村人たちが道の両脇に並び、深く頭を下げて迎えてくれました。報われないことに慣れていたはずの胸が、じんと熱くなります。 一方、王国は――聖女を捨てた代償に、滅びの秒読みへ。 最後にたった一度だけ鳴らした鐘の音は、思わぬ運命を呼び覚まします。頼もしき将軍との出会い、そして眠れる古き竜の目覚め……。 「せっかく、平穏に暮らそうと思っておりましたのに。……まあ、知りませんけど」 報われなかった聖女令嬢が、静かに、しかし確かに世界を動かしていく――痛快ざまぁと心温まる再評価、そして次なる伝説の幕開けを描く物語。夕暮れの鐘は、嘘をつきません。

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小説を読もう2026/08/23
  • 現在の作品夕暮れの鐘は嘘をつかない ~婚約破棄された聖女令嬢、前世の記憶で村外れの鐘を鳴らしたら、私を捨てた王国が滅びの秒読みに入りましたわ~