あらすじ
四十三歳、独身の会社員。
特別不幸でもなければ、特別成功しているわけでもない。そんな男の日常は、ある風の強い朝、突然終わった。
どうやら彼の死には、神様側の事情があったらしい。
その補償として若い身体と異世界での新しい人生を与えられたユウが望んだのは、魔王を倒す力でも、最強の魔法でもない。
壊れたものを直し、不要なものを処分できる《リサイクルボックス》。
危険なことはしない。目立たない。無理をしない。
そんな方針で薬草を摘みながら静かに暮らすつもりだった。
ところが、いつの間にか隣には犬扱いを嫌がる白い聖獣ハクが居つき、《リサイクルボックス》には本人も知らなかった機能が次々と見つかっていく。
そして、ちょっとした好奇心から訪れたダンジョンで、ユウは百年以上もの間、何かを守り続けていた一人の騎士と出会う。
壊れている。けれど、壊れているからといって、捨てていいとは限らない。
一人で始めた異世界生活には、やがて白い獣、百年前の騎士、過去を追う吟遊詩人まで加わっていく。
これは、世界を救うつもりのない男が、捨てられないものを一つずつ拾っていく物語。