あらすじ

正解を出さなければ、肉体を解体される――。 言葉の毒に呑み込まれた街で、傷だらけの二人が手を取り合う、壮絶なロジック・ホラー。 一年前、私立稜ヶ丘高校2年B組の生徒・鳴海詩織が死んだ。 教室に渦巻く陰湿な暴言、嘲笑、そして「関係ない」と目を背けた傍観者たち。彼女が遺した激しい拒絶の念は、やがて街全体を呑み込む狂気の「言葉の怪異」へと変貌を遂げる。 ある日突然、外の世界から切り離された学校。 取り残された生徒たちの前に現れたのは、言葉の毒によって構築された不条理な『問い(なぞかけ)』だった。 問答に答えられなければ、あるいは間違えた答えを出せば、待っているのは肉体の容赦ない解体――。ハサミで切り刻まれ、沸騰した血液で焼かれ、クラスメイトたちが次々と惨殺されていく中、かつて詩織のいじめを傍観していた少年・神谷創太と、声帯を怪異に奪われた少女・白石葵は手を取り合う。 逃げ場のない地獄の底で、二人は自らの過去の愚かさと罪に向き合うことを決意する。 創太は自らの身体を切り刻み、視力と聴力を失いながらも「痛みの証明」を提示し、命懸けの「逆のなぞかけ」を怪異へ突きつける。肉体を破壊し尽くされ、人間としての機能を奪われながらも、創太と葵は怪異の不条理な計算式を打ち砕き、ついに朝日が照らす現実の世界へと生還を果たした――はずだった。 「ガス爆発事故」として処置された惨劇の記憶。世間からの冷たい疑念の目。 両目を失った創太と、声を失った葵。満身創痍の二人は、互いの手に文字を刻み合う「触覚の言葉」で支え合い、傷を庇いながら不完全な日常を歩み始める。 だが、二人はまだ気づいていなかった。 人間が存在し、他者を傷つける言葉を吐き捨てる限り、この世界そのものが巨大な「文字の檻」であるということに。 平穏を取り戻したはずの静かな部屋で、ノートを開いた瞬間。 紙面の文字が蠢き、破壊したはずの耳元で、濡れた声が静かに最後の問いを囁く――。 『――問答は、まだ……終わっていませんよ』

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/23
  • 現在の作品言葉に喰われた街の、逃げられない問い