あらすじ
「あなたを選ぶつもりはありません」
王宮舞踏教師ベアトリスに、三回限りの臨時の相手としてクレマンと組まされた伯爵令嬢コゼットは、その宣言をきっぱりした拒絶だと受け取った。けれど彼は、なぜか彼女を目で追い、傷めた足をかばって歩幅を合わせてくる。
一度目はコゼットの宝石靴に血がにじみ、二度目はクレマンが足首を痛めた。それでも完璧な舞踏を装う二人に、ベアトリスは履き慣れた革靴で三度目へ出ろと命じる。
ところが最後の曲で拍子が乱れ、クレマンの足が止まりかけた。六で止まれば彼が痛い。なら七まで行けばいい。コゼットの妙な数え癖から始まった不格好な七拍子が、告白も大広間も巻き込んでいく、痛くてじれったくて、笑いの止まらない両片思いのお話。