あらすじ

これは、最弱の人間に転生した男が、世界を救い、世界を支配し、そして世界の敵になるまでの物語。 外れ能力は――《固定》。 できることは、物をその場から動かなくするだけ。 ……のはずだった。 ⸻ 34歳、無職、引きこもり歴12年。 親に迷惑をかけ、失敗することから逃げ続けた男・真人は、ある雨の日、一人の少年を救って命を落とす。 「もし、もう一度だけ人生をやれるなら。今度は逃げない」 次に目覚めたとき、彼は異世界の赤ん坊――レイン・アルバートとして生まれ変わっていた。 そこは、魔法、剣、科学、超能力、魔物が入り乱れる世界。 そして―― 人間は、九種族の最底辺だった。 七歳で授かった能力は《固定》。 炎も出せない。 身体も強くならない。 未来も見えない。 できることは、触れた物をその場に固定するだけ。 誰もが笑った。 「荷物運びには便利ですね」 それでもレインは、その力を使って人を助ける。 壊れた荷車を止める。 崩れる建物を支える。 誰かの命を救う。 前世では誰の役にも立てなかった男が、初めて知っていく。 「ありがとう」と言われる喜びを。 仲間ができる。 恋をする。 裏切られる。 戦う。 そして《固定》に秘められた、本当の力を知っていく。 物を固定する。 人を固定する。 空間を固定する。 魔法を固定する。 やがて―― 時間さえも固定する。 最弱だった男は英雄となり、 最底辺だった人間は世界の頂点へと駆け上がる。 だが。 強くなりすぎた男は、いつしか忘れてしまう。 自分がなぜ、 強くなりたかったのかを。 これは、 世界最強になる物語ではない。 一度人生を捨てた男が、人間として生きる意味を知る物語だ。

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カクヨム
カクヨム2026/08/23
  • 現在の作品世界を留めた男