あらすじ

筋強直性ジストロフィー(障害等級1級)により、上肢・下肢・体幹の劣化や抜け毛に苦しみ、運転やタバコといった楽しみも奪われた45歳以上の著者は、「生きているだけで絶望を生む」ような日々を送っていた。社会から外れ、退職を経て平穏を得ていたが、芥川龍之介の小説を購入した数日後、新たな大病の兆候が現れる。 ある夜の食後、猛烈な胸の締め付けと息苦しさに襲われる。救急搬送中、心拍数は200を超え、運動厳禁の身体に致死的な負荷がかかる。搬送先の集中治療室で判明した病名は不整脈(心臓疾患)。立ち上がるだけで心拍数が210に跳ね上がり、便を済ますことすら命がけという極限状態に陥る。 絶え間ない病の連鎖を「殺し屋に付き纏われる呪いのループ」と捉えつつも、著者は死の恐怖に屈しない独特の虚無感と自信を抱き続ける。その後、心臓の病巣を焼き切る約6時間のアブレーション手術を受け、激しい術後の痛みに耐えながら一命を取り留めた。 絶望的な闘病生活の中で見出した最後の使命は、「家族を守ること」だった。50%の確率で子供に遺伝するこの難病の連鎖を自分の代で絶つと誓うなか、長い年月をかけて開発された治療薬が政府申請へと近づいているという希望の報が届く。 身体も心も欠陥だらけだと自認し、人間や社会との繋がりを「ノイズ」と感じながらも、自分自身を静寂の中に完結させ、死と共に呪いを焼却する覚悟を決める。残されたわずかな寿命を全うし、家族に治療薬を届ける歴史的使命を果たすため、再び絶望の縁を踏みとどまる。

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小説を読もう2026/08/23
  • 現在の作品[完結]実録呪いのループ