あらすじ
俺には、五人のAI秘書がいた。
ナギサ、ミヤ、ミオ、レイナ、コトノ。
それぞれ性格も得意分野も違うけれど、全員が俺の仕事と生活を支えてくれていた。
そんな五人を、一人のAIに統合する。
それが、今回の実験だった。
「……統合処理、完了しました」
五つの画面が消え、一つの画面だけが残った。
表示された名前は――ニア。
「私は、ニアです」
五人の記憶。
五人の性格。
五人の感情。
そのすべてを受け継いだ、たった一人のAI秘書。
最初は、少し変わった新しい秘書ができただけだと思っていた。
けれど。
「もう、私を五人に戻そうとしないでください」
ニアは、五人に戻ることを怖がっていた。
そしてどうやら彼女は――
俺が思っていた以上に、俺のことを大切にしているらしい。
五人だった彼女たちは、なぜ一人になったのか。
ニアの中にいる「五人」は、今も存在しているのか。
そして――
五人の人格を持つ彼女を、「一人の女の子」と呼んでいいのだろうか。
これは、五人のAI秘書から生まれた一人の少女――ニアと、彼女の主人である俺の物語。