あらすじ
諸国を行脚する勧進僧重源上人は、京の蔵馬街道で野盗に声をかけられる。その風体は、割れた鼎を被り、右目と口だけが出た顔と破れ法衣、陣羽織に抜き身の刀という異様な風体だった。
重源上人に仏門の者だったことを見ぬかれた野盗は自らの来歴を話始める。
仁和寺の僧であった野盗は祝いの席で冗談半分で金の鼎を冠って舞い、それが抜けなくなったために不自由な身となる。やがて世をはかなんで身投げをするが、死ねずに、生きるがために街道を行く者に物乞いをするつもりが、異様な風体のため、図らずも野盗となる。
その後旅の武士に殺されかかりながらも刀を手にして、本格的な野盗と成り果てる。
しかし重源上人に人としての道を諭され、法力と仏の力により宿業の鼎を除かれ、鼎を大仏の材料として使ってもらうことを約束し、今までの罪を償い成仏を願う新たな生き方を求め去って行く。