あらすじ

旧文明が『熱走』と呼ばれる大破壊で崩壊してから、幾星霜。統一国家も法もない荒野には、恩寵会という得体の知れない組織が根を張り、点在する村々を恐怖で支配していた。逆らえば見せしめに殺される。若者を差し出せと言われれば、肉体を強化する代わりに九割が理性を失うという『ネクタル漬け』の人身供出にも応じるしかない。そんな理不尽が、当たり前として通っていた。 村の若者レンも、そんな日常に飼い慣らされた一人だった。だがある夜、神主が殺され、幼馴染の巫女が連れ去られかけたことで、レンは初めて組織に刃を向けてしまう。その報復として、レンは見せしめのネクタル漬けにされる。ところが処置の最中、レンはなぜか正気を保ったまま、前世の記憶――現代日本でいじめの果てに死んだ記憶を取り戻していた。 失った振りをして脱走したレンは、旧文明の遺物『クロス・コア』に導かれながら、組織内部に潜むレジスタンスと合流。故郷を支配する領主フジツの正体に迫っていく。顔を合わせた瞬間、レンは確信する。この男こそ、前世で自分を追い詰めた張本人だと。 積年の因縁を胸に、レンは自由を懸けた戦いに身を投じる。ただし、深刻ぶるのはガラじゃない。飄々と、時に軽口を叩きながら――それが、レンなりの生き方だった。村を、そして自分自身を取り戻すための、終末を征く旅が始まる。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/23
  • 現在の作品底辺の村人、前世のケジメをつけたので終末世界を気ままに旅する