あらすじ
光啓(こうけい)九年、初夏。完壁な皇長女として、日々技芸を磨く蘇 蓮瓔(そ れんよう)は、ままならぬ現実に苛立ちと戸惑いを抱えていた。
憎い女の娘である義妹、兄にばかり目を向ける母、義妹を可愛がる父、軽薄な婚約者。蓮瓔は一人、愛に飢え、苦悩する日々を送っていた。
ある日蓮瓔は、国を挙げての行事・観月宴の目玉である舞楽の舞い手に抜擢される。父から掛けられた思いがけない期待の声に、彼女は奮起し、懸命に努力を続けた。
だが、そんな彼女に、何者かの悪意が襲い掛かる。命すら狙われ、やがて彼女は、孤独と絶望に苛まれていき──
大礼国シリーズ、第四弾。「空寂伝 ──未明の妃は星彩に祈る──」を経て、少しずつ変わりゆく国の、新たな夜明けまでの物語。