あらすじ
世界の「境界」にある喫茶店、テルミヌス。
今日が開店日で、今日が閉店日。時計は24時へ近づき続けているのに、なぜか閉店時間だけは永遠にやってこない。
そこに集うのは、世界そのもの、因果律、全知の悪魔、論理学者、禅僧、死神、胡乱な妖怪、言葉の厄介者、そして一匹の猫。
彼らなら、どんな問題でも簡単に解決できそうなものだ。
ところが困ったことに、それぞれが自分の論理や性質に忠実であればあるほど、問題は解決するどころか余計にこじれていく。
証明は絵本になり、因果律は希望の糸を切り、時間は閉店時刻へ届かず、音楽は言葉で演奏され、作者は勝手に死に、猫は文学賞を取る。
哲学、論理、物理、宗教、文学。人類が長い時間をかけて考えてきた大問題が、コーヒーカップの隣でくだらない騒動へと変わっていく。
これは、世界の境界にある小さな喫茶店を舞台にした、哲学とナンセンスの寓話。
今日も問題は解決しない。
それでもコーヒーは出るし、閉店時間はまだ来ない。