あらすじ
「――高嶺の花を監視しろ」
人知れず怪物と戦う《浄化人》である俺に、そんな任務が下された。
対象は、白峰透花。
色白の美貌に抜群のスタイル。成績優秀で気配りもでき、誰にでも優しい。
教師からも生徒からも慕われる、学園一の高嶺の花。
――そして、その正体は怪物だ。
今回の任務は討伐ではない。
彼女が人間社会にとって危険な存在なのか。
正体を知っていることを悟られないまま監視し、それを見極める。
だから俺は、白峰の些細な変化も見逃さない。
そんなある日、授業中の彼女に変身の兆候が現れた。
このままでは正体が露見する。
最悪の場合、周囲の生徒にも被害が出る。
「白峰、顔色悪いぞ。保健室行くか?」
人目のない場所へ移すための、ただの任務上の判断。
――だったのだが。
「……気づいてくれたんだ」
白峰はそう呟いて、少しだけ嬉しそうに笑った。
違う。
俺が気づいたのは、君の体調不良じゃない。
怪物としての異変だ。
もちろん、そんなことを言えるはずもなく――。
その日から、少しずつ白峰との関係がおかしくなっていく。
監視のために見ていれば、なぜか目が合う。
異変がないか声をかければ、少し嬉しそうにされる。
怪物絡みの事件に巻き込まれそうになれば、正体を隠して処理する。
俺が任務を遂行すればするほど、なぜか彼女との距離が縮まっていく。
しかも最近、白峰は俺の前でだけ妙に調子を崩すようになった。
まさか――俺が《浄化人》だと気づき始めているのか?
警戒する俺は知らない。
普段は誰に対しても完璧に振る舞える白峰透花が、生まれて初めての恋に振り回されていることを。
そして白峰も知らない。
必死に隠している怪物としての正体が、最初から俺にはバレていることを。
俺は彼女を監視している。
彼女は俺に恋をしている。
その二つを、互いに知らない。
怪物を狩る少年と、正体を隠して暮らす高嶺の花。
これは、監視から始まる正体厳禁のすれ違い学園ラブコメ。