あらすじ

昨日まで三十六歳だった俺が目を覚ますと、平成十二年の春、小学四年生に戻っていた。 スマホはなく、放課後の約束は口約束。台所には母さんの朝ごはんがあり、ランドセルは思っていたより重かった。 一周目の人生は、別に大きく失敗したわけじゃない。 ただ、友達の誘いを断り、連絡を後回しにしているうちに、誰かと一緒に帰る日も、家族みんなで食卓を囲む日も、いつの間にか終わっていた。 まずは、友達の誘いに「行く」と答えてみる。 その年の秋、始まったばかりのロト6を駅前の宝くじ売り場で見つける。 一周目で、父さんはロト6の三等を当てた。「あと一つで一等だった」と、その回の当選番号を何度も読み上げていた。 俺はその六つを覚えていた。 小遣いの二百円で同じ数字を選び、一等四億円を当ててしまう。 けれど、大金を手にしても、俺はまだ小学四年生だ。 通帳は父さんと母さんが預かり、学校では誰にも言えない。次の日もランドセルを背負って学校へ行き、帰れば宿題が待っている。 その金をどう使うかは、父さんと母さんと一緒に考える。欲しかったものを買い、これから伸びる会社の株にも少しずつ手を伸ばしていく。 未来のことを少し知っていても、友達との距離や部活の勝敗、好きな相手の気持ちまでは分からない。 小学生から中学生、高校生、そしてその先へ。 一周目では通り過ぎた青春と人生を、今度は自分で選びながら生き直していく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/23
  • 現在の作品小学四年生に戻った俺の、あの頃からのやり直し