あらすじ
祇園精舎の鐘が鳴り、平家は滅びる。
私たちは、その結末を知っています。
けれど ――
彼らは最初から、滅びるために生きていたわけではありません。
父であり、子であり。
兄であり、弟であり。
誰かを愛し、何かを守ろうとし、時には間違えながら生きていた、一人の人間でした。
本作は『平家物語』『保元物語』『平治物語』などに描かれる源平争乱を下敷きに、史実・軍記物語・伝承、そして創作を組み合わせて描く創作歴史落語小説シリーズです。
物語は、壇ノ浦から始まります。
盲目の琵琶法師・芳一の前に現れた、海から来た少年。
少年は芳一へ願います。
「書かれた物語の通りではなく、そこにいた者が、本当に生きていたように語ってほしい」
そこから時代を遡り――
平忠盛と平清盛。
崇徳院と後白河。
源為義と源義朝。
そして、歴史の陰へ消えていった人々。
後世には「源氏」「平家」「帝」「院」「勝者」「敗者」と呼ばれる者たちを、もう一度、
父と子。
兄と弟。
家族。
そして、一人の人間として描き直します。
誰が正しかったのかではなく。
なぜ人は争ったのか。
何を守ろうとしたのか。
何を受け継いだのか。
そして――いつから、家族は「敵味方」になったのか。
歴史の大きな流れの中に、もう一度、人の心を置き直す。
それが『新訳・源平盛衰記』です。
※史実として確認できる事柄、軍記物語・後世の伝承、本作独自の創作を区別しながら構成しています。
『平家物語』朗読・解説企画では、エクス・マキナ様より資料・解説面でご協力いただいております。