あらすじ
『迎えに来て』
半年前に死んだ義妹から、午前零時前にメッセージが届いた。
雨宮透真が家を飛び出した先、三年前から工事の止まった歩道橋の下に落ちて
いたのは、見覚えのないコンパクトだった。開いた鏡に映っていたのは――十七
歳まで育った結奈の顔。結奈は、十四で死んだはずだった。
午前零時から午前四時まで、東京に重なる異界《夜葬東京》。そこでは十三人
の少女が《願星》を奪い合っている。十三個すべてを集めた一人だけが、どん
な願いでも叶えられる。
なら、妹を生き返らせられる。
そう決めた透真が最初に看取ったのは、十三歳の少女だった。彼女は死に際、
自分の願星と、たった一つの遺言を残していった。
「パパとママを元に戻さないで。私がいたことだけ、二人に返して」
その日から透真の中には、彼女の魔法と、彼女の心臓の痛みが住みついている。
倒すほど強くなる。倒すほど、その子を他人として切り捨てられなくなる。
母に忘れられていく歌手。失踪した娘を探す刑事。やり直したい看護師。そし
て、誰も殺さない道を探す少女。十二人には、十二の叶わない願いがあった。
全員分の遺言を背負いきったとき、俺が選ぶのは妹の蘇生か――それとも。