あらすじ
午前0時。
いつもの帰り道に、見覚えのないBARが現れる。
その店の名は――「BAR Lien」。
眠れない夜を過ごす人。
誰にも言えない想いを抱えた人。
恋に迷い、愛に傷つき、それでも前を向こうとする人。
そんな人々が、夜の街で偶然この店を訪れる。
カウンターに立つのは、32歳のマスター・蓮。
穏やかな笑みを浮かべながら、客の話に耳を傾ける彼は、その人に合った一杯の酒を静かに差し出す。
カシスオレンジ。
ネグローニ。
モヒート。
オールドファッションド――。
グラスに注がれる一杯には、それぞれの想いが込められている。
「……苦いと気づいたなら、もう無理に飲み続けなくてもいいんじゃないですか」
言葉にできなかった気持ちを、酒とともに少しずつほどいていく。
けれど――。
BAR Lienは、朝になると跡形もなく消えてしまう。
そして、マスター・蓮自身にも、まだ誰にも語っていない過去があった。
これは、午前0時にだけ現れる不思議なBARで、
恋に迷う人々が少しずつ前を向いていく物語。
そしていつか――
蓮自身が抱えている「言えなかった想い」にも、夜明けが訪れる。