あらすじ
とある惑星に一人の男が降り立った。彼は宇宙探査員。未知の惑星へ赴いて現地調査を行い、可能であれば原住民と友好関係を築き、将来的な交易や開発の足がかりを作ることが任務だった。
厳しい訓練を受け、数多の試験を突破した選りすぐりのエリートでありながら、その実務は泥臭い。何か月、時には何年にも及ぶ航行の末に未知の土地へ降り立ち、原始的な種族を相手に交渉を重ねる。衝突が起きることも珍しくなく、命の危険さえ伴う。そのため母星では『銀河の営業職』などと揶揄されることもあった。
もっとも、彼はこの仕事に誇りを抱いていた。誰も見たことのない世界へ最初に足を踏み入れ、未知の文明と接触するという高揚感は何物にも代えがたいではないか。嘲笑の声など選ばれなかった者のやっかみにすぎない――彼はそう考えていた。