あらすじ
「失様《ぬかりさま》って知ってる?」
山間の町・御貫郷にある、全校生徒わずか八人の御貫学園。
過去の事故で野球を辞めた朝倉結月は都会を離れ、この学園へ転校してきた。
そこで待っていたのは、かつて自分から野球を奪った少年・高瀬奏汰と、それぞれに消えない傷を抱えた生徒たち。
そして、この土地に伝わる奇妙な遊びだった。
輪になって座り、全員が目を閉じる。
選ばれた一人が、音を立てずに供物を持ち去る。
目を開けた後、誰が「失様」だったのかを当てる。
ただ、それだけの遊び――のはずだった。
八人で始めたはずの儀式。
目を開けると、そこには七人しかいなかった。
消えた生徒。
食い違う記憶。
繰り返される惨劇。
そして結月は気づく。
この中に、最初から存在しなかった誰かがいる。
疑うべきは怪異か。
友人か。
それとも、自分自身の記憶なのか。
失様は、誰だ。