あらすじ

北風はいつも啼いていた。 都・プルス男爵スターリー・アーサーが遺した著作、その日本語訳――という体裁で綴られる、ある帝国の戦争の記録。 双子の皇子と先帝の夭逝を契機に、プルス帝国は二つの派閥へと割れた。偽りの遺跡、扇動される民衆、幼帝の擁立、そして「正義」を掲げて始まった王都奪還戦。 だが、スターリーが戦場で目にした正義とは、幾千万もの死体を踏み越えて進むことだった。 正義とは何か。勝利とは何か。 なぜ戦争を決める者ではなく、戦う者ばかりがその責任に苛まれるのか。 秋風が北風へと変わるなか、一人の貴族はやがて、世界そのものを憎むようになる。 これは英雄譚ではない。英雄を生み、殺し、そして忘れて再び戦争を始める世界についての記録である。

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カクヨム
カクヨム2026/08/23
  • 現在の作品北風の唄