あらすじ
「うがい三回、手洗い念入り、深呼吸……よし、今日の体調も万全ですね!」
辺境の村で薬師見習いをする十七歳の少年アスターは、三キロの薬壺すら持てない超虚弱体質。
山でトゲにかすり傷を負えば全身麻痺、油っこいものを一口食べれば激しい胃もたれで倒れ込む。
そんな彼を、幼馴染の見習い治癒士ミレイが毎日全力で看病することで、平穏な日常が保たれていた。
だが、ある日ミレイが「数百年ぶりの奇跡の大聖女」として王都の神殿へ連れ去られてしまう。
一人残されたアスターは、一人前の薬師となって王都へミレイを迎えに行くため、迷宮都市エルフィードへと旅立つ。
――しかしアスターは、自分自身の異常な体にまだ気づいていなかった。
彼は生まれつき、【体調不良や状態異常(デバフ)にかかるほど、ステータスが神話級に跳ね上がる】という超特異体質の持ち主だったのだ!
「ひゃあああ!? 痺れ草の麻痺で体が動きません〜〜〜っ!」(※ステータス無限カンストで突進してきた巨大魔獣を一撃粉砕)
「ふにゃぁぁ……お酒に酔っ払って千鳥足ですぅ……」(※泥酔デバフで神速抜刀、暗殺者を一刀両断)
「ゴホッゴホッ……風邪で高熱が……」(※体から立ち上る湯気が神聖波動となり、氷竜を蒸発させて周囲の万病を完治)
本人は「死にかけの受難」に涙目で怯えているだけなのに、なぜか世界最強の魔獣や悪徳商会が勝手に消滅していく!?
赤髪のツンデレ護衛剣士クララに「あんた、また弱って最強になってんのかい!?」とツッコまれながら、
無自覚に伝説の英雄へのし上がっていく、お人好し病弱薬師の勘違い痛快ファンタジー、堂々開幕!