あらすじ
47歳で終わったはずの人生。
目を覚ますと、小川雄大は10歳――小学4年生の自分に戻っていた。
雄大には、ずっと心に残っていた小さな後悔がある。
子どもの頃、本当は少年野球をやりたかった。
けれど、床屋を営む両親は土日も忙しい。迷惑をかけるくらいならと、一度も「野球をやりたい」と言わないまま、自分で諦めてしまった。
高校を卒業し、働き、結婚し、それなりに幸せな人生を送った。それでも、「あの時やってみたかった」という思いだけは消えなかった。
そんな雄大が、もう一度10歳から人生をやり直すことになる。
目の前には若い母と双子の妹たち。そして、一度目の人生では雄大が20歳前後の頃に交通事故で亡くなった父がいる。
今度は、聞く前から無理だと決めない。
雄大は少年野球を始める。
ただし、47歳まで生きた記憶があっても、10歳の身体がいきなり野球をできるわけではない。グローブをはめる手を間違え、ボールはまっすぐ投げられず、小学生の勉強にも普通に苦戦する。
未来を知っているからといって、お金も簡単には増やせない。
そして父の事故が、いつ、どこで起きたのかも正確には覚えていない。
野球をすること。
学校へ通うこと。
家族と過ごすこと。
店の仕事を手伝うこと。
お金や商売について学ぶこと。
一度目の人生では選ばなかったことを、10歳から少しずつ選び直していく。
これは、未来の知識ですべてを成功させる物語ではない。
一度諦めた少年が、今度こそ自分の人生と向き合っていく物語。